ハワイと聞くと治安が良いイメージを持っている方は多いと思います。
「あたたかい温暖な気候だから、人も陽気だし、犯罪なんてないでしょ?」
私はハワイ大学在学中、実際にこんなことを言われたこともあります。
アメリカでダントツに治安がいいと思っている方も多い中、
気になることは一つ。
「結局色々言われているけど、ハワイは治安がいいの?悪いの?」
ということで今回は「ハワイの治安」について、治安の良さや犯罪の種類、犯罪多発地域など、ハワイの治安について書いてみました!
目次
全米TOP3の治安の良さ
ハワイとホノルルは度々「全米の治安の良い街」として紹介されます。全米の全都市の中でTOP3に入るほど、治安がいいと言われているのです。
銃規制も他の州よりも厳しく、犯罪の発生率も全米の平均に比べると低いことが影響しています。
アロハスピリットに包まれた心地よい南国の雰囲気の中にいると、ハワイにいれば犯罪とは無縁だと感じてしむことがしばしばあります。
「ハワイは安全だよ!アメリカでも治安の良い国だから!」
と言われるのも納得です。
実際アメリカ本土の街やヨーロッパの大きな都市に行くと、ハワイよりも治安の悪い街は沢山あります。
海外旅行先でハワイが人気なのも、「治安の良さ」を理由に選んでいる方が多いからでしょう。
日本に比べるとまだまだ危険!?
ハワイの在ホノルル日本国総領事館のHPにはこんな記載があります。
…最近では、凶器を使用した強盗事件が多発しており、このようなことから、ハワイは米国の一つの州に変わりないという認識を持って当地に滞在し、または居住される場合も、ハワイは日本と同程度に安全であるなどと決して過信することなく、防犯対策を十分に講じてください。
全米の中では治安が良くても、日本と比べるとまだまだ治安がいいとは言えないことが、上記の記述からもみてとれます。
総領事館が注意喚起をするというのは、それほど危機感を持つ人が少ないということでもあるのです。
治安がいいのはどっち!?東京vs.ハワイ
では東京と比べてハワイはどうなのでしょうか。
とある調査では世界338都市の中で、東京の犯罪係数は16.05(数字が小さいほど安全)で332位。世界的にみても犯罪が少ない=安全であるという結果になりました。
対してハワイは、犯罪係数42.84で180位。全体のちょうど真ん中でさほど犯罪が多いわけではないが、やはり東京の方が断然安全という結果が出ています。
アメリカの中では安全な都市でもやはり日本と比べてしまうと安全と言い切ることは難しいです。
ハワイの犯罪の特徴と対策
では具体的にハワイに行った際にどんなことを気をつけなければいけないのでしょうか?
日本ではあまり遭遇しないタイプの犯罪も多いので、種類ごとにその対策法とともに説明していきます。
詐欺|観光客を狙ったキャッチ達
ハワイ、特にワイキキでは日本人観光客を狙ったキャッチや詐欺事件が多く発生しています。
英語がわからないことをいいことに強引に話を進めてくることも多いので注意が必要です。
1. フィリピンの子供達に寄付してください!
おばさんや若い人がアラモアナなどのショッピングモールで片言の日本語で話しかけて来ます。
「子供達へのチャリティーです。」という彼女達はフィリピンの子供達の写真を見せつけ、寄付を募って来ます。
しかし団体を名乗るわけでもなく、ただただお金を求めて来ます。
ヨーロッパでは特に多いのですが、ハワイでもよくあるパターンです。
2. オウムと記念写真!
ワイキキでは大道芸やストリートライブなど、エンターテインメント溢れる演出をするパフォーマーが多くいます。
そんな大道芸などに見とれて、写真を撮ったりすると、撮影料としてお金をせびってくる人たちがいます。
中でもオウムのおじさんは昔から有名で、観光客の方にオウムを乗せて、離れるまでお金をせびってきます。
3. 綺麗なレイでしょ!
ホテルではなく、道端でいきなりレイをかけられ、レイの料金を要求してくるパターンです。
一度かけられたら「いらない!」と言った後でもしつこいので、話しかけられても無視しましょう!
4. 警官の格好で取り締まり!?
ハワイでは横断歩道では無い道路を横断することを「ジェイウォーク: Jaywalking」と呼ぶのですが、このジェイウォークは違法です。
ワイキキなどでは容赦なく罰金扱いにされます。
そんなジェイウォーカーを取り締まる警察官を装い、罰金やお金を求めてくる人がいます。
警察の格好をしていれば誰だって信じてしまいます。
そんな心理を逆手に取った詐欺手口です。
5. 売春誘発行為で逮捕される!?
ハワイ州法では売春婦に声をかける行為も売春誘発行為として逮捕されることがあります。
つまり、自ら売春婦に声をかけて逮捕されるのです。
さらには売春行為において、売春婦にクレジットカードや現金を盗まれるなどの被害も多発しています。
道端で売春婦らしき人に声をかけられても相手してはいけません。
また、声をかけてもいけません。
基本的にワイキキなどでカタコトの日本語で話しかけてくる陽気な人達は、自分達の商品を売ろうとするセールスや詐欺を狙った人達がほとんどです。
普通の警察官や綺麗なお姉さんがカタコトの日本語で話しかけてくることはほとんどありません。
日本語で話しかけられると少し安心しますがそんなにプラスになることはないので素通りしましょう。
・立ち止まらない。
・相手しない。
これは鉄則です。
盗難|ビーチや飲食店での盗難に注意
ハワイに来るとついつい観光に夢中になったり、のんびりしたくなってしまいます。
が、そういった観光客の隙を狙う盗難事件は多いです。
・ビーチでのんびりしたらついつい居眠りをしてしまった。
・海で泳いでる間、誰も荷物をみていない。
・カフェで場所取りのため荷物を置いて飲み物を買いに行く。
これらの行為は全部NGです。
日本では場所を取るために鞄を置いたり、携帯や財布を置きっぱなしにしても大丈夫なことが多いですが、ハワイでは絶対にNGです。
僕は日本人の観光客の方が置いた鞄を、カウンターで注文している間にしれ〜っと持っていっている白人の中年男性に声をかけたことがあります。
「あれっ、鞄間違えてしまった。」と白々しくとぼけていましたが、彼らとしても指摘されたらとぼければいいとしか考えていません。
・貴重品は肌身離さない。それがトイレなどのちょっとした時間であってもです。
・貴重品を持ち歩くなら、見えないようにする。
スリなどの被害にあわないように、服の下に隠せるタイプのポーチを持っていくと便利です。通常のウエストポーチよりも薄くてかさばりません。
カバンは何でも持ち歩けて便利ですが、貴重品を持ち歩いていると主張しているようなもの。パスポートやクレジットカードなどの貴重品を隠し持つことができます。
また、スキミング防止機能が付いていて、カード情報などを磁波で盗み取るスキミング被害から守ってくれます。
[itemlink post_id=”2207″]車上荒らし|派手な車は狙われる
ハワイでビーチ近くの道路に車がたくさん駐車してある光景を見たことがある方も多いと思います。
路駐OKな場所の多いハワイですが、ビーチから帰ってきたら車のガラスが割られていた!なんて経験したことがある人も多いのでは無いでしょうか。
それもそのはず。観光客はお金を持っていて、警戒心が弱いため、車上荒らしの標的にされやすいです。
そして観光客の多くがMustangのオープンカーなどの目立つレンタカーを借りるため、すぐに彼らの標的になってしまうのです。
・混雑していても、出来るだけ人通りの多いビーチ併設の駐車場を利用し、人気の少ない道路での路駐を避ける。
暴行|公共トイレや夜間は注意
あまり考えたくはありませんが、観光客や留学生が巻き込まれる暴行事件も多いのが現実です。
ビーチや公園にある人気の少ない公共トイレは昼夜問わず危険です。
最近も日本人観光客の男性がトイレで出くわしたヤク中の現地民に暴行を受けました。
また、意外かもしれませんがバス停や観光名所での暴行も多いです。
人気が多いイメージのある場所でも夜になれば多くの死角ができます。
特に夜間は酒気を帯びた人に絡まれることが多く、特に何もしていなくてもいきなり言い掛かりで殴られた友人を多く知っています。
・できるだけ車や自転車で行動すれば、歩きよりは安心感がある。
銃|銃大国であることを忘れるな!
日本で街中を歩いていてまず見かけることがないものが「銃」です。
ただし、ハワイはアメリカ。
ハワイでも銃を持つ人を見かけることは日常生活でほとんどないのですが、それでも注意は必要です。
そもそもハワイでは銃の規制が他州より厳しいのですが、それでも6時間の講習を受け、登録手続きをすれば銃を持つことが許されてしまいます。
多くの人が銃を所有しており、銃の新規登録も年間1万件ほどです。銃を使った犯罪も毎年数十件発生しているのが現状です。
観光エリアから離れた大型のショッピングモールで銃が売られていることもあります。
もちろん違法ではありません。
つまり銃を持っている人がいても全然おかしくないということです。
ただし、それが適正に使われているかといえばそれは別問題です。
僕は、ワイキキの道で喧嘩している集団の中の一人が銃を持って相手を脅している光景を見たことがあります。
ワイキキにいるとたまに銃声が聞こえることもあります。
銃を持った人に出くわすことは確率的にほとんどないと考えても大丈夫ですが、全くないわけではないということは覚えておきましょう!
・パトカーや救急車が停まって場所に興味本位で覗きに行かないこと。(何かの事件の真っ最中かも!)
麻薬・覚醒剤|とにかく関わらない!
こちらもあまり日本では馴染みのないものです。
ハワイにいれば一回の滞在で必ずといっていいほどヤク中の人やクスリを売っている人に出くわします。
「そんなことない。私は見たことがない」
という人はおそらくヤク中の人だという認識がないままかもしれません。
もしくは、何を言ってるかわからないけど、怪しそうだからそのまま通り過ぎるだけのこともあります。
ハワイでは医療用大麻の使用は認められていますが、患者でもない人の大麻の使用は違法です。
大麻の効能などについてここで語る気は無いですが、問題なのがクスリで一生を棒に振った人があまりにも多いことです。
街を歩いていて、独り言をブツブツ呟いたり、いきなり奇声をあげたりする人が実に多いです。
僕は留学したての頃、ヤク中の人にバスで怒鳴られて、びっくりしすぎてiPhoneを落としたことに気がつかず、そのまま返ってこなかったことがあります。
他にも僕の仲良い大学の友人は麻薬(なんのクスリかは知らない)の売人だった20代に逮捕され、実に長い間刑務所にいたことがあったと言っていました。
さらには、人気が少ない海釣りの最中や車の中でマリファナ(英語でweedと言います。)を吸っている人も多いので、慣れると匂いで近くに吸っている人がいるかどうかがわかってきます。
それほど周りに利用している人間が多くいるというのは日本人の僕にとっては衝撃でした。
・怪しい人に何か話しかけられて、よくわからなかったら「ニコッ」と笑顔ですぐ立ち去る。
・買わないかい?と言われても絶対に興味を持たないこと!せっかく海外に来たんだからと手を出さない!
観光地で犯罪の多い場所
ハワイでの犯罪はどのエリアが多いのでしょうか?
ハワイの警察HPDも公認のCRMIE MAPPING.comというサイトでは、ハワイのどのエリアでどんな種類の犯罪が起きているかを確認することができます。
下の写真は7月18日時点で過去たった一週間に起こった犯罪です。
こんなにあるんですね…
この地図とともにオアフ島の危険スポットをご紹介してきます。
ワイキキ全域|Waikiki
この地図をみるといかにワイキキに事件が多発しているかがわかります。

ワイキキといっても広いですが、それだけ広域にわたって事件が起こりやすいです。
人も多ければ、飲食店やバー、クラブなど夜でも営業しているお店が多いため、事件は多発しやすいです。
カラカウア通り|Kalakaua Ave.
ワイキキといえば、カラカウア通り
ハワイのメインストリートと言えばカラカウアを思い浮かべる人も多いと思います。
人やお店が多い分、夜と昼の雰囲気は全然違います。
特に12時を回ると危険ですので、一人で出歩かないように!

クヒオ通り|Kuhio Ave.
カラカウア通りよりも人通りが少ないが、やはりここもメインの通りなだけあって犯罪発生率は高いです。
チャイナタウン|Chinatown
小さなバーやクラブなどが密集するチャイナタウン。
穴場のお店が見つけやすく、地元民にも愛されている場所ですが、やはり夜は危険です。
若者同士の喧嘩が多く、ヤク中の人に絡まれることも多いので、初めての旅行や女性だけの場合、夜のチャイナタウンは避けた方が無難です。
タンタラスの丘|Tantalus
ワイキキを一望できる夜景で人気のタンタラスの丘。
こちらも昼というよりも夜が特に危険になりやすいです。
8時ごろであればツアーの団体などが多いため、夜景に見とれている間に車上荒らしにあったり、夜遅くなって来ると特に地元の若い人たちが車中で大麻を吸ったり、何かとトラブルが起きやすいので、注意が必要です。
あまり遅い時間に個人で行かないようにしましょう。
カイルア|Kailua
カイルアビーチやラニカイビーチなど観光名所も多いカイルアタウンですが、夜になると雰囲気はガラッと変わります。
ワイキキとは違い人気がかなり少ないが、その人気のなさがかえって怖く感じてしまいます。
ビーチへ行ってショッピングして日が暮れてから、ご飯食べてバスに乗ろうとしたら22時を回ってたなんてことにならないように気をつけましょう。
日本人の被害事例
日本人が実際にあった被害を紹介します。いずれも2018年1月〜6月の間に起きた事件です。
日本人旅行客が昼間にワイキキのインターナショナル・マーケットプレイス内の個室トイレを利用した際に、床に置いていたバッグを、何者かがドアの隙間から手を伸ばし、バッグを奪って逃走した。
日本人観光客が昼間にモアナ・ルア・ガーデンを訪問し、車の座席上にバッグをおいたまま散策に出たところ、車の窓ガラスが割られ、バッグが盗まれた。
夜19時過ぎに、日本人観光客がホノルル市内のカカアコ地区のショッピングセンター前バス停でバスを待っていたところ、バイクが歩道上を走行しながら急接近し、旅行者がショルダーを奪われた。
カカアコ地区内の公園の公衆トイレで、昼頃、日本人旅行者がトイレ内にいた男から、顔面を激しく殴打されたり,首を絞められるなどの暴行を受けた。被害者の男性は歯を折って気絶するほどの重症で、治療費として500万円ほどの請求を受けた。
ハワイでの日本人被害は2018年1月〜3月だけで下記のような被害が報告されています。
- ・観光地での車上狙い:14件
- ・ビーチやフードコートでの置き引きやすり:6件
- ・路上でのひったくり:3件
- ・ホテルの客室への空き巣:2件
これからの被害は被害者が帰国のための渡航書発給手続きをする際に申告されたものであり、申告されていないものも数多くあるとみられています。
ハワイの治安について実体験で伝えたいこと。
私は東京育ちですが、東京にいて身の危険を感じたことはほとんどありません。
夜に新宿や六本木、麻布などのバー・クラブへ行った時でも怖いと思った経験はないです。
対して、ハワイに住んでいるときにホノルルのバーや田舎の街中を歩いているときに身の危険を感じたことは何回もあります。
比較的大柄な私ですが、街中で自分よりもさらに大きな人たちがお酒に酔っているとどうしても怖い思いをします。
大学に通うため、4年以上ハワイに住んでいて、場所を知り尽くしていたり、文化に慣れていたとしても、「怖い」と感じることがあるのです。
ましてや、旅行でハワイに行かれる土地勘のあまりない方が、僕と同じかそれ以上に感じることもあると思うのです。
この記事を通してみなさんにお伝えしたいことは、「ハワイは思ったよりも治安の悪い場所だから旅行するのをやめましょう。」ではなく、「アメリカの中では治安のいいのがハワイだけれども、結局はアメリカ。日本で生活する以上に警戒心(貴重品の管理や夜間の散策など)を持ちながら旅行を楽しみましょう。」ということです。
旅行にリスクはつきものです。
事前にリスクの把握と対処の仕方を学び、最大限に旅行を楽しむことも旅行の準備の一つです。
<参考・参照>
Forbes|America’s Safest Cities
smart asset|The Safest Cities in America in 2015
NUMBEO|Crime Index 2018 Mid-Year
在ホノルル日本国総領事館
Honolulu Police Department|Crime Mapping