お辞儀ばかりの日本人!「ヘコヘコ文化」は恥なのか?

昔、留学して間もない頃、アメリカ人の友達から

「日本人はなぜ特に意味もないのに頭を下げるのか?」

と聞かれたことがあります。

その時はうまく答えられなかったのですが、当時の海外被れの僕は、

「みっともないなー、大人なのに。もっと胸張って、自信持てよ。」

と思っていたこともありました。

でも、いざ自分が社会人になってみると、同じようなことをやっている自分に気がついたのです。

それから、「すぐ頭を下げる日本人」に対する考え方も変わった気がします。

というわけで、今回は「ヘコヘコ文化は本当に日本人の恥なのか?」考えてみたいと思います。

何かと「ヘコヘコ」頭を下げる日本人

街の居酒屋で、サラリーマンが取引先と思われる別のスーツを着たサラリーマンに頭を何度も下げながらお酒を汲んだりしている姿をよく目にします。

「お先にどうぞ」

「いやいや、〇〇さんこそどうぞお先に」

とか、

「どうぞどうぞ」

と頭をヘコヘコしながらお酒を注ぐ。

終いには自分が悪いことをしてないのに、ことあるごとに

「すみません」

と反射的に頭を下げる。

そんな経験したことありませんか?

もしくは見たことありませんか?

誰しも一度は経験していると思います。

「ヘコヘコする日本人」に「イライラする日本人」

あんまみんなこういうことを疑問に思ったことないのかな、とも思ったのですが、ネット上には結構この手の投稿がありました。

出典: 日本人は何故、外国人にヘコヘコするのか?|ガールズちゃんねる

結構、苛立ってますね。笑

日本人として恥ずかしい。そんな気持ちもわかります。

僕も昔結構こう思ってましたから。

「そんなに外国人って偉いんですか?」

「日本人のことなんてこれっぽっちもなんとも思っていない…」

まあ、これは少し言い過ぎな気もしますが、なんとなく言いたいことはわかります。笑

「日本人としてもっと胸を張って、対等に外国人と向き合ってほしい」という気持ちがあるのでしょう。

日本人がヘコヘコするのはどんな時?

そもそもヘコヘコして見えるのは、頭を下げてお辞儀をしているから。

挨拶や会釈する時、相手に敬意を表している時、謝罪の気持ちを表現する時にもお辞儀をしますよね。

「日本人がお辞儀をするようになったのは、中国から仏教が伝わった500-800年頃だといわれている。当時のお辞儀は身分の上下を表していた。たとえば身分の高い人々を迎える側は、自分が相手にとって脅威でないことを示すために、体位を低くして見せたという。」

出典: 日本のお辞儀文化|Live Japan

通常身分の違いから、目上の相手より自分を下げるために頭を低くしますが、相手へ敵意がないことを示すためにも頭を低くするのです。

「お辞儀」文化vs.「握手」文化

日本人にとってお辞儀をすることが相手への敬意の表し方な訳ですが、欧米人にとって同じような文化は存在するのでしょうか?

それがまさしく握手の文化です。

握手の意味
握手によって利き手を制することで、武器を隠し持っていないことを示すための意味があったと推測されている。

出典: 握手|Wikipedia

つまり、握手をすることで、敵意がないことを示すのです。

さらに言い換えれば、相手に敬意を示し、相手と友好関係を築きたいという意思表示になるわけです。

それがさらに親密なものになると、ハグやキスといった文化になっていきます。

結局のところ欧米の人達だって、「お辞儀」と同じようなことをするのです。

電話の時でもお辞儀はおかしい?

そうはいっても流石に電話の時など相手がいない時に電話するのはおかしいという方もいます。

たしかに外国の方からするとすごい変な光景に見えますよね。

でもお辞儀文化の浸透している日本において、それがある種相手に対して敬意を表してやっていることなのであれば、お辞儀をしながら電話していても不思議ではありません。

逆に握手は相手がいないと成り立たないので、電話しながら握手することはできません。

お辞儀は相手がいなくてもできちゃうわけですから、反射的にやったとしても、その行為が滑稽に見えたとしても、別に悪くいう話でもなんでもないはずです。

相手がお客様や上司であれ、ある程度の敬意を払っているのであれば、電話でお辞儀していても僕はいいと思います。

結局お辞儀をする日本人はどうなの?

外国人の方にあった時、英語が拙くてついついヘコヘコお辞儀したり、日本人同士でヘコヘコするのは「お辞儀」という文化が浸透した日本においては、ごく自然なことです。

少し前に、安倍首相とトランプ大統領の握手が話題になりましたが、トランプ大統領のような力を見せつけるような握手の仕方をする方がよっぽど恥ずかしいことだと感じます。


出典: LOVE日本onGIFMAGAZINE

それは僕が日本人だからではなく、アメリカ人でも同じように考える人は多いでしょう。

挨拶で「自分が相手よりも上である」と力を見せつけることはビジネス・政治・日常生活の多くの場面で必要のないことです。

それよりか、少しカッコ悪く見えても相手をたてようとする日本の文化はむしろ素晴らしいことだと感じます。

そんな風に思えたのも留学をして、日本に帰って仕事をしてみて始めた気がついたことです。

おまけ お辞儀のパロディ

最後に日本人のお辞儀をパロディ風に種類分けするとどうなるでしょう?

詳しく説明した動画がこちらです。

「全部食べちゃったとき」

「悪い若者に取り囲まれたとき」

など実にユニークなシュチュエーションで、お辞儀を解説しています。

まあ、ひょっとしたら本当にこういう意味なんだと勘違いされなくもなさそうですが。笑

まとめ

留学をしてみるとわかることって本当に多いのですが、今回のお辞儀のように、表面的にはカッコ悪く見えても実は奥が深い日本の文化って結構多いことに気付かされます。

僕は留学前は何かと日本文化に否定的だったのですが、結局、挨拶・礼儀・作法など日本には日本なりのやり方があり、外国にもそれぞれのやり方があるということを認めなければいけません。

と、電車でへこへこしている社会人の人を見て思う今日この頃でした。