突然ですが、「帰国子女」って響きカッコよくないですか?
僕は昔から「帰国子女」って言葉に憧れを抱いていました。
とはいっても、私も親の仕事で生まれてすぐアメリカへ渡り、2、3年ほどNY(ほんとはNJ)で育ちました。
当時のことは嫌な思い出以外、言葉も含め何も覚えていないのですが、ふと思うことがあるのです。
「僕は帰国子女になるのかな?」と
小中高と日本の学校で育ったため、英会話もろくにできない私でしたが、一応帰国子女になるかもしれない。
そんなことを考えながら、また疑問が。
「そもそも帰国子女の定義ってなんだ?」
ということで調べてみました。
目次
帰国子女の定義
辞書で「帰国子女」の意味を調べてみると、
「親の仕事の都合などで長年海外で過ごして帰国した子供。」
出典: デジタル大辞泉
だったり、
「外国での生活を経て、日本に帰国した学齢期の子供。帰国児童生徒。」
出典: 三省堂
と出てきます。
ちなみに「学齢期」は小学校と中学校の9年間なので、義務教育の年齢の子供となります。
一般的に帰国子女という言葉は大人に対しても使っている気はするのですが、「子供の頃に海外に住んでいた人」に当てはまるということになります。
もちろん男の子も子女
ちなみに帰国子女ってなんかアメリカナイズされた女の子というイメージを持ちやすいですが、(私だけ?)
「子女」とは子供の総称であるので、男の子の場合でも「帰国子女」と呼びます。
(私は子供の頃、男の友達が「帰国子女」と呼ばれているのをみて、「えっ、実はこの子、女の子だったの?」と思ったことがあります。苦笑)
国の「帰国子女」の定義
では、国は帰国子女をどう定義しているのかというと、総務省のHPにはこんな記述がありました。
「帰国子女」とは、海外勤務者等の子女で、引続き1年を超える期間海外に在留し、年度間(4月1日から翌年3月31日)に帰国した児童・生徒をいいます。
出典: 総務省統計局|帰国子女及び外国人児童・生徒の数
文部科学省でも、帰国子女という言葉での定義は見つかりませんが、「帰国児童生徒」という言葉がありました。
「帰国児童生徒」とは、海外勤務者等の子供で、引き続き1年を超える期間海外に在留し、当該年度の4月1日から3月31日に帰国した児童生徒をいう。」
出典: 文部科学省|「学校基本調査」
ここで気をつけなければならないのは、「海外勤務者の子供」という言葉
つまり親の都合で海外に滞在しているということになるので、中学や高校で海外に留学する人は厳密に言えば帰国子女にはならないということでしょう。
ということで、国の「帰国子女(帰国児童生徒)」の定義は「親の仕事で1年以上海外に在留し、帰国した子供」となります。
ちなみに、文部科学省によると、2016年には約1.2万人ほどの帰国児童がいたそうです。
入試における帰国子女の定義
帰国子女であることで、最も影響があるものはやはり「入試」でしょう。
では、「帰国子女・帰国生」入試の場合はどういった定義になるのでしょうか?
中学から大学までの帰国生入試の出願資格から定義を考えてみます。
中学入試
中学入試における海外経験とは、短い場合で1年以上、長い場合で3年以上と、定めている期間が学校によって異なります。
学校によっては「海外在留経験のある者」としているため、期間を問わない学校もあります。
高校入試
中学入試同様に、海外経験の期間が1年以上、2 年以上、3年以上と、学校によって様々です。
大学入試
大学入試はおおよそ2年以上の学校が多いですが、さらに高校の最終学年を含んでいる必要があるそうです。
東京大学
外国において,我が国の学校教育12年に相当する課程の最終学校に最終学年を含め継続して2年以上在学し,修了すること。
出典: 東京大学
慶應義塾大学
国の内外を問わず通常の学校教育課程12年以上を修め,かつ海外において外国の教育課程に基づく高等 学校に最終学年を含め 2 年以上継続して在籍し卒業した者および卒業見込みの者
出典: 慶應義塾大学
ん〜なるほど!
入試においては1年〜3年以上の海外在留経験が必要で、大学に至っては高校の最終学年までの滞在を求められるのですね。
帰国子女の英語力
帰国子女はやはり英語力の高い人が多いという一般的な認識があると思います。
実際、帰国子女と言われる人たちの英語力は高い場合が多いです。
TOEICの点数で言えば、僕の感覚では990点満点中最低でも900点以上の人たちが多い気がします。
おそらく僕たちのイメージでは下の記事の女性みたいな感じ?
[blogcard url=”https://www.iibc-global.org/toeic/toeic_program/testimonial/toeic/14.html”]ただし、帰国子女といってもあくまで海外在留経験なので、英語圏とは限りません。
英語が話せない帰国子女もたくさんいます。
(まあ、逆に言えば英語以外の言葉を話せるということです。)
そして先ほどの記事の女性のように、海外経験のみではさほどTOEICの点数などが高くなく、滞在中や帰国後に自力で頑張って勉強した人も多いと思います。
先ほどの国や学校の帰国子女の定義でも、英語力そのものが帰国子女の条件ではありません。
というわけで帰国子女だからと言って、必ずしも英語力が高いとは限りません。
帰国子女の文化やアイデンティティ
今までのことを踏まえると、僕は帰国子女になる可能性がありそうです。
なぜなら「子供の頃に親の仕事の都合で、2・3年アメリカで生活した。」
からです。
ただし、「自分が帰国子女か?」と問われると、「多分違います。」と答えるでしょう。
それは海外生活をしていた時期があまりにも幼く(0〜3歳くらいの間)、物心つく前の言葉も話せない小さな子供だったからです。
毎日のように英語に触れ、ディズニーのようなアメリカ文化に触れていたので、今でもアメリカの文化を懐かしいと思ったりはします。
ただ、それでも、誰かと頻繁にコミュニケーションをとっていたかというとそんな記憶は一切ありません。
逆に、自分の兄弟や友達など、ある程度の年齢(学齢期)になってから海外生活した人は、文化的な影響を強く受ける気がします。
文化的な影響とは、国際的な視野、異文化交流、強い意志表示など若くして受けるプラスの影響だけではなく、文化や言葉の壁による辛い経験などのマイナスの影響もあります。
そうした良い影響も悪い影響も含めて、日本で育つ子供とはまた違う経験をしているのが、帰国子女の子供だと思います。
これらを踏まえると、僕は文化的な影響を受けて、よく帰国子女の人に見られるような自分のアイデンティティについて悩むことさえなかったので、やはり自分は「帰国子女」ではないのかなと思います。
少し余談になってしまいましたが、帰国子女を語る上で帰国子女のアイデンティティは避けて通れないものでもあると思うので、書いておきました。
まとめ
帰国子女の定義、いかがでしたか?
定義について考えることはなかなか難しいことですが、これらをまとめると、
「学齢期など文化的な影響を受ける年齢の時に、親の都合で海外で生活した経験があり、在留期間が最低でも1年以上ある子供。なお、必ずしも英語力が高いとは限らない。」
ということが言えるのではないでしょうか!?
まあ、自分が帰国子女だと思えば、別にそれはそれでいいのでしょけどね!