もう一つのハワイ語「ピジン語」とは!?

ハワイ語というとハワイアンソングの歌詞にあるような言葉を思い浮かべる方は多いと思います。

もしくはルアウなどで体の大きいポリネシア系の方々が舞台の台詞として話している言葉を連想するかも知れません。

では、ワイキキなどの観光地やツアーで陽気な現地人が話している英語っぽい言葉はハワイ語でしょうか?

実はこれハワイ語ではく、ピジン語というハワイのもう一つの言葉なのです。

ピジン語とは?

ピジン語を調べると下記のような説明が出てきます。

ピジン言語(Pidgin language、または単にPidgin)とは、現地人と貿易商人などの外国語を話す人々との間で異言語間の意思疎通のために互換性のある代替単語で自然に作られた接触言語。

出典: Wikipedia

少し難しいですね。

これを少し噛み砕くと

「言葉の通じない人々が自然と作り上げた多言語の入り混じった共通言語」

色んな言葉を話す人々がいる空間において、自国の表現を使いながらも自分も相手の言葉を使って意思疎通を図るのです。

今でも英語が共通言語として、広まっていますが、英語をベースとしながらも英語が話せない人たちは自分たちの言葉も交えながら話していました。

これがピジン語の代表格ピジン英語の原型です。普通の英語とは少し違っていて、鈍っています。

つまりピジン語自体はハワイ特有のものではなく、ハワイ以外の土地でも現地人と移民や貿易商人が多数いる地域ではピジン語が話されることはあるということになります。

とは言っても例えばオーストリアで話されるピジン語とハワイでのピジン語が同じ言葉という意味ではなく、あくまでもその地域特有の言語と言えるでしょう。

ちなみに諸説ありますが、英語の「business」を中国風の発音にしたら「pidgin」になったと言われています。

鳩の「pigeon」ではありませんので気をつけましょう!

ハワイのピジン語

18世紀に初めてヨーロッパからの移民が来て以来、ハワイには世界中から多くの移民が集まりました。

そして、19世紀になるとサトウキビ畑・工場での労働者が増え、特に中国・日本・ポルトガル・スペイン・韓国・プエルトリコ・ロシア・フィリピンから多くの労働者がハワイに移住しました。

サトウキビ畑などの職場で親が話すハワイ語を聞いた子供達もピジン語を話すのですが、学校ではすでに英語が話されていたため、次第にピジン語と英語が混ざりはじめます。

こうして「英語」と「ピジン語」が混ざった「ピジン英語」通称「ピジン・イングリッシュ」が生まれたとされています。

今ではハワイの公用語の一つとしても認められています。

どんな風に使われるの?ハワイのピジン語集

“brah” “bruddah” “braddah”
意味:「Brother」ブラザー、兄弟、仲の良い男性を呼ぶ時などに使われる。(血縁は関係ない)

Eh, brah, get one beer?
「おい兄弟、ビール取ってくれ!」

“Howzit?”
意味:「How are you?」元気?

Eh, howzit, brah?
「おぅ、お前元気にしてたか?」

“Try”
意味: 「Please」プリーズ、少し丁寧にお願いする時に使う。本来英語なら「please」というべきところを「try」に置き換えて使ったりする。

Try wait, eh?
「ちょっと待っててくれるかな?」

“Issei”
意味: 「1st generation」1世。一番最初に移民した人達。2世の時は「Nisei」、3世は「Sansei」といいます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ハワイには英語やハワイ語以外の言葉があることはあまり知られていません。

旅行で訪れた時に、一つでもピジン英語を聞き取って帰れるように、今日からピジン語を勉強してみてくださいね!

<<参考・参照>>
Wikipedia|ピジン語

Language Varieties|Hawai‘i Creole

EYE OF HAWAII|Pidgin The Unofficial Language

CNN|Pidgin English now an official language of Hawaii