成長しなくなる!?コンフォートゾーン(安全地帯)という考え方

留学などで海外生活を始めると何かと新しい人に会う機会が増えますよね。

今までとは違う環境で、新しい人と自己紹介をし合うことも多くなります。

特に海外には、日本よりも社交的と言われる国々も多いため、パーティーで知らない人と出会うことは日常茶飯事だ、という人も多いでしょう。

パーティーなどは楽しいのですが、私も留学当初はネイティブの多いパーティーなどで英語が上手く話せず、物怖じしていたこともありました。

そんな時に友人などによく言われたのが、

「Stay out (step out) of your comfort zone!」

という言葉です。

直訳するなら、

「安全地帯から抜けて出して!」

となるのですが、この考え方が「個々の成長」にとって非常に大切な考え方なのです。

今日はそんな自分が成長する上で大切な「Comfort Zone(安全地帯) から抜け出す」という考え方についてのお話です。

コンフォートゾーンとは?

日本の辞書的な意味で言うならば、「安全地帯」「落ち着く場所」という訳が多いです。

これが、英語の辞書になると、

a situation in which you feel comfortable and in which your ability and determination are not being tested

出典:Cambridge Dictionary

「人が心地よく感じる状況、能力や決断力が試されていない状況」

よりイメージしやすくなったでしょうか。

ストレスや不安を感じにくく、安堵感のある、「ほっ」としたひと時、それがコンフォートゾーンです。

先ほどの英文の直訳「Comfort Zoneから抜け出す」を言い換えるとすると、「居心地よく感じる状況から脱して!」と言う表現になります。

なぜ成長の妨げになるのか?

通常、人が心地よく感じる場面というのは、不満やストレスが少なく、その人にとって、お決まりのルーティンやパターンで物事が進んで行く時です。

「休みの日はいつも同じ仲間とお決まりのお店へ行って、お決まりのメニューを頼む。」

「パーティーで新しい人と積極的な話をするよりも、気の知れた仲間同士で話をしている。」

「授業でクラスメートが積極的に発言をする中、いつも自分は発言せずに書記やタイムキーパー役になる。」

「職場で従来通りの業務をただただこなすだけで、新しい仕事に取り組まない。」

少し極端かもしれませんが、こうした行動の取り方がコンフォートゾーン、つまり、居心地の良い状況を作り出しているとも言えます。

そして、先ほどの辞書的な意味合いを噛み砕くと、

「Comfort Zone」→「コンフォートゾーン」→「安全地帯」→「心地よく感じる状況」→「能力や決断力が試されていない状況」

ということになります。

新しい人に出会ったり、新しいことを行うのは、労力がいるし、失敗する可能性もある。

でも、毎日やっているお決まりのやり方なら間違えることはほとんどない。

こうして、新しい人やモノに出くわす機会が減ることで、自分の能力や決断力を試す機会をも失うため、コンフォートゾーンから抜け出すことは成長において大切なことと言われるのです。

もちろんコンフォートゾーンそのものが悪いことではなく、ストレスや不安が少ないこと はいいことでもあります。

ただし、成長という観点からすると、適度なストレスは成長を促進するとも考えられるため、欧米においては特に広まった考え方なのです。

どうやってコンフォートゾーンから抜け出せばいい?

コンフォートゾーンから抜け出すための方法としてよく知られているものをご紹介します。

日々のルーティンをいつもと少し違うやり方でやる

・学校や職場からの帰り道を少し変えてみる。

・いつもと違うレストランに行ってみる。

・違う部署の人とランチする。

・仕事のルーティンの順番を変えてみる。

など、自分がいつもやっていることの、一部を変えてみるというものです。

その行為単体で何かが大きく変わることはないかも知れないけど、ちょっとした発見から何か別のものを見つけ出すことができるでしょう。

「ん!なんか居心地悪いな」と思うことをあえてやる

居心地の悪いことをわざわざやろうとする人はいないと思います。

居心地の悪いことは避けるのが、人間です。

でも「コンフォートゾーンから抜け出す」という考え方には今までにない自分と出会うチャンスを作り出すことでもあります。

つまり「居心地の悪いと思うこと」≒「経験していないこと」でもあるのです。

やってみてよかったかどうかは自分が決めることです。やってダメだったらもう2度とやらなければいいだけです。

ただし、やってみて、「あれっ!意外にいいじゃん」と思える可能性が少しでもあるならやってみる価値があります。

私の場合、新しいセミナーに参加することは労力もいるし、自分の知らない業界の人が沢山いるので、結構居心地を悪く感じることも多いのですが、何か新しい出会いがあるだろうとちょくちょく行くようにしています。

行って無駄だった!と思うこともありますし、行ってみてよかったー!と思うこともあります。

実際にセミナーに行ってみるまでわからないからこそ、行って判断すればいいのです。

なりたい自分を想像する

自分がこれからなってみたい自分を想像することは、コンフォートゾーンから抜け出す手助けになります。

なりたい自分がいて、でもまだそこには到達できていない。

その過程には、新たに経験していかなければならないことが沢山あるはずです。

もちろん、今やっていることを続けて行くことでなりたい自分に確実に近づいているのであればいいでしょう。

でも、多くの人は「なりたい自分」にまだなっていないからこそ、理想を抱くはずです。

つまり、その理想に近づくためには、まだ見ぬたくさんの経験や人との関わりが必要になってきます。

「なりたい自分」を想像することで、コンフォートゾーンから抜け出す必要性を実感することができるでしょう。

まとめ

コンフォートゾーンの概念について述べてきましたが、コンフォートゾーンそのものは悪いことではありません。

時には「ほっ」とできる瞬間は必要です。

と同時に、成長したいのであれば、居心地の良さから脱してみることも大切です。

そこで新たな発見をし、自分の成長につなげて行くことで、更なる新しい自分に出会えることでしょう。

おしまい!